乙訓青年会議所事務局
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  2020年ビジョン

1.はじめに


1−a)地球市民意識あふれるまち乙訓

 「国家というものは、グーテンベルク・テクノロジー(活字文明)の産物であり、一方電気テクノロジーは地球上の全国家を一つの村に作りかえつつある。」
 これは、アメリカのマーシャル・マクルーハンの30年も前の言葉です。 彼は今のIT革命による世界の急激な変化を見通していたかの如く、時代を先見していました。また、宇宙から地球を見た飛行士が思わず「宇宙船地球号」と感嘆したのもひとつのかけがいのない生態系を保つ地球を全人類の力で守る必要性からだと思います。
 このような時代背景を生きる我々の行動は、環境問題や経済問題、政治の問題にしても全てがリンケージし、相互に影響しあいながら、一つとして単独に、孤立してあるものはないとの認識を持たなくてはなりません。例えれば、我々が、もし、個人の趣味趣好で通常の何倍ものCO2 を撒き散らす車や、経済ベースだけを考えた工場からの廃液などを無秩序に放置するならば、地球の環境はどのようになるのでしょうか。環境破壊が起こるのは当然のことです。
 我々乙訓青年会議所も2020年ビジョンの策定に当たり、お互いを理解し、共生なくしては生きることの出来ない時代を鑑み、「地球市民意識あふれるまち乙訓」という2020年に向けてのビジョンを打ち立てました。このことは、誰もが「自立 共生 創造」の心を失えることなく、新しい地球市民の時代に即した、グローバルなまちづくりの基本理念をうたっております。

1−b)マザー・テレサの言葉

 彼女はその無償の行為の中、インドの貧民街において、道行く人々の中、道ばたで誰に認められることなく病や貧しさ故に死に行く人々の過ごす中でこのようなことを述べています。

  「愛の反対のものは、憎しみではない、愛の反対のもの、他に対する無関心である」
   「我々がこの地域の行く末に無関心になるとき この地域から愛がなくなり
   我々がこの地球の行く末に無関心になるとき この地球から愛がなくなります。」

 私たちの目指す「地球市民意識あふれる乙訓」は、自らのことだけでなく他の地域のことも自らと同じように考えることの出来る人たちであふれています。
 また、そこには自立した市民が「まちづくり」に自ら積極的に関与して活き活きと活動しています。
 このように、地域や地球の未来に無関心でいられない人が多く住むまち、そのような「乙訓」にしたいと考え、「地球市民意識あふれる乙訓」を策定、提言しました。

1−c)なぜビジョンが必要か

 陸上競技を取材する記者が不思議そうに語りました。
「長く破られたことのない記録がひとたび先駆者の手により破られたとき、それに続く後続者が次々とその無理だと思われていた記録を破り、いつかその記録は平凡な記録となる」
 人は、無意識の内にある枠の中で行動していると言われています。
「9秒9が、人類の100メートル走の限界である」と多くの人が感じ、思っているときなかなかその壁を破ることはできません。先駆者が目標に向かい、継続した意志と努力でその壁を越えたとき、多くの人の中に自分もできるのではないかとの観念が生まれます。
 ビジョンとは、不思議な言葉です。英語から日本語へ転生して使われていますが、語源を調べると、ビジュアルという意味があります。ある光景を視覚的に見るという意味でしょう。100m走の例ではありませんが、誰かが目の前でビジュアルに新記録を打ち立てた姿を見せたとき、彼の中で自分もできるという、あるいはやるのだという行動のモチベーションが生まれ、多くの人がそれに続く姿はなにもスポーツの世界だけに見られるものだけではありません。
 また、ビジョンには、内在的な視角化による目標到達へのモチベーションの強化と共に多くの人と分かち合いたい理念というものが無ければなりません。
 中世のヨーロッパ大陸より出航した開拓者達は、自由と平等そして博愛の理念のもと新国家成立への夢、ビジョンに燃え、200年という短い期間にアメリカという国家を地上に誕生させました。その中には多くの人と分かちあった理念というものがありました。
 また、アポロ計画は、「我々は1960年代の内に人類を月に送りこみ安全に地球へ帰還させる」という目標と「アメリカは地上でもっとも偉大な国であり続ける」というビジョンの基、見事成功を収めることが出来ました。
 人や組織があるとき、それが烏合の衆とならないためには、明確な目標とすべての構成員と分かち合えるビジョン、理念が必要です。まして、青年会議所のようなNPOとしては高度に組織化された団体ではなおさらです。だからこそ、我々は、「明るく豊かな社会の実現」を基本理念、目標に据え、社会と人間の開発を通してこれを実現すべく、世界中の青年会議所で日々活動しているのです。
 さて、我々が所属する乙訓青年会議所も例外ではありません。この20年間を「明るく豊かな社会の実現」のための活動をしてまいりました。まちづくりを目指すNPOとして、2020年には、こんな地域で、こんな人々と暮らしたいという思いを込め「地球市民意識あふれる乙訓」というビジョンをうちたてました。いま我々はこのビジョンの実現のため、多くの活動をしています。
 このビジョンが、メンバーだけでなく、地域の人々と真に分かち合える理念となり、目標となったら、「なぜビジョンは必要か」との根元的な答えとなるのではないでしょうか。

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